2/2 『最後に涙を流したのはいつですか?』

涙を流してますかー!
嬉し涙だけではありません。
悲しい涙でもOKです。
 
涙を流すのは、浄化の効果があるとよく言われますが、
実はうつ予防にも、涙を流すことは重要な意味があります。
 
いつまで流すんだろうと思う位、
泣いて泣いて、泣き疲れる位、泣いた後に
見えてくるものがあります。
 
 
「嬉し泣きなら、いくらでも流してもいいけれど、
 悲しい涙は、あまり歓迎できません」
 
という人が多いのではないでしょうか。
 
誰でも悲しいことは、好みません。
できれば避けたい、と誰もが考えます。
 
ところが、悲しいことはいくら防いでも
向こうからやってきます。
 
それは、あなたの人生の上に
指標のように置かれているものなのです。
 
例えば、
大事にしていたぬいぐるみもいつか壊れてしまいます。
大切なペットにも限られた命があります。
大人になっていく時に、諦めなくてはならなかった
子どもの頃の夢、さらには、親族の死であったり、
年齢を重ねれば、配偶者の死であったり、
  
ちょっと、悲しい話になってしまいましたが、
避けようとしても、防ぎきれない悲しみはあります。
 
しかし、悲しいことに目をつぶったり、
男は泣くもんじゃないというような呪縛で
涙を流す事を我慢したりしてしまいがちですよね。
 
皆さんはこのような時どうしますか?
 
実は、
こう言う時ほど泣いて泣いて泣いて、
泣き尽くすことが大切なのです。
 
泣き疲れる、泣き切るということは、
その悲しみに、どっぷりと浸かることです。
悲しみを避けているのではなく、
目の前にどーんと来た悲しみの受け止めて、
悲しみをまるごと体験しているのですね。
 
これを心理学では「悲哀の作業」といいます。
難しく聞こえますが、
簡単に言うと、悲しみを丸ごと受け止めることです。
 
誰もが毎日の生活の中で
悩む、落ち込み
 ↓
軽いうつ状態
 ↓
回復
を繰り返しています。
 
誰もが、うつ状態からの回復の達人なのです。
ところが、ある時幾つかのボタンの掛け違いから
回復のスイッチが入らなくなってしまうことがあります。
うつ状態からなかなか回復できなくなってしまいます。
ふと、涙が止まらなくなってしまったり。
気持ちが晴れない状態が続いてしまいます。
この時に、「悲哀の作業」を行っているのです。
 
直面した悲しみを正面から受け止めているのです。
泣いて泣いて泣いて、涙が涸れた頃、
立ち上がって、歩き出そうという気持ちが湧いてきます。
 
ところが、この悲しみを避けてしまう事があります。
例えば突然、自分にとって大切にしていたものを失ってしまうとします。
その現実を最初受け止められません。
これは悪い夢だと自分に言い聞かせたくなるでしょう。
なかったことにしたいと考えたくなります。
そして、悲しみを直視しなくなってしまうと、
トラウマになってしまうことがあります。
 
その時は、平常に生活ができても、
後に意味もなく、突然悲しみに囚われてしまう人もいます。
 
悲哀の作業は悲しみにどっぷりと浸かるような苦しい作業ですが、
その間に、日常の生活ができれば問題はないといわれています。
悲しい気持ちを抱えながら、家事や仕事をこなすことができれば、
必ず出口が見つかります。
この期間は3ヶ月から6ヶ月位かかるといわれています。
 
ただ、この作業が得意な人とそうでない人がいます。
悲しみを味わう、悲哀の作業の時に、
何もできなくなってしまう人もいます。
この先に、重いうつ状態が続き、
うつ病の発症の可能性が高まります。
ひとりの力で乗り越えられない時は、
専門家の力を借りる必要もあります。
 
泣いて泣いて泣いて、涙の川ができる位に泣いた後、
川を泳ぎ切った向こうには、希望の光があります。
悲しみは苦しいだけではなく、
受け止めて、整理をする作業をしているのです。
 
涙を流すことで、
悲しみで一杯になっていた心に隙間ができると、
いろいろな思い出が感情と一緒に甦る余地が生まれてきます。
 
楽しかった思い出、嬉しかった思い出だけでなく、
苦しかった、悩んだ、怒ったという思い出も同時に甦ってきます。
 
その時に、脳は両極端の感情を同時に体験します。
これをアンビバレンツといいます。
この体験を通して、悲しみの整理が始まり、回復が進むようになります。
 
アンビバレンツという言葉は、日本語では適切な言葉がありません。
ただ、うつ状態から回復をする時に重要な作業なのです
これは、軽いうつ状態からの回復でも行っていることです。
 
回復のコツは、
正反対の感情をしっかり味わうことです。
自分が今どんな感情を味わっているのか、
それを知る事が重要なポイントになります。
 
自分の心の状態を知るには、
自己と対話をしなければなりません。
これも立派な内的コミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力を高めることで、
自分の状態を深く知る事ができます。
その結果、回復を早め、うつ予防ができる様になります。